公益社団法人 岡山県難聴者協会 会長 森 俊己
皆さんはご存知だと思いますが、耳マークは「聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞えない人・聞こえにくい人への配慮を表すマーク」です。
少し前、「ヘルプマーク」が話題となりましたが、「耳マーク」は昭和50年、名古屋の難聴者が考案したもので、すでに半世紀近くの歴史があります。聴覚障害は外見では分かりにくく、特に難聴者は必ずしも手話を使うわけではなく日本語で普通に話すこともあって、なかなか理解が進まない現実があります。耳マークをつけることで、難聴であることを周囲に知らせる。知らせることで、配慮を受けやすい社会をつくっていけると考えます。
耳マークは長い間、行政に働きかけても窓口に設置される程度で留まり、残念ながら社会に浸透するには至りませんでしたが、近頃は街のあちこちで目にするようになり、社会の認知度が上がったように感じます。
先日、私は補聴器をつけてコンビニを訪れました。そこには、以前ご紹介した「指差しシート」が設置されています。何度も聞き返す私に、店員さんはためらいつつも耳マークを指差し、シートのイラストでレジ袋が必要かどうか尋ねてくれました。彼女が少しの勇気を出して、私に配慮してくれたのだと思うと、ちょっと嬉しくなりました。高齢で聞こえにくくなった人も多いようですし、簡単なコミュニケーションボードにもなっているので誰でも使いやすいのだと思います。指差しシートはよく使うのだと話してくれました。
耳マークを広めるため、全難聴は耳マーク啓発ポスターを広く一般から公募し、各地の難聴当事者団体でも各々工夫して独自のチラシやバッジなどを作成。広報の活動を展開しています。また、県身障連の機関誌でも取り上げていただきました。少しずつ、少しずつ広がっていると感じています。
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