やかげ要約筆記サークル 岡本 緑
夏休みを利用して矢掛町社会福祉協議会が中心となって進める「夏休みボランティア活動」の企画に当サークルも手をあげました。対象は矢掛中学校、矢掛高校の生徒です。参加の希望者がない場合は活動はありません。
『要約筆記』という言葉自体、まだまだ認知度が低い状況にあり、3年ほど希望者ゼロが続いていましたが、今年は中学1年生2名、2年生1名の希望がありました。
中学生が要約筆記を直接目にする機会があったことが今回の活動参加へのきっかけとなったようです。教育委員会主催の講演会に当サークルへの派遣依頼がありその場に中学生たちが聴講するため同じ会場にいました。中学生が座っている目の前で要約筆記をしている状況を目にする機会を夏休み前に二度もつくことができたのです。要約筆記をする私たちの様子を見て興味が湧いたことも参加への後押しになったようです。
ボラ体験は半日という短い時間でしたが熱心に取組む中学生の姿に我々もこの時間を充実したものにしなければと工夫し進めていきました。当日のプログラムをご紹介します。
『プログラム』
自己紹介 講義
(1)聴覚障害とは
(2)要約筆記の目的
(3)要約筆記の方法
(4)要約筆記の三原則
実習①
(5)文字の大きさ、くせ字、正確さ
(6)話ことばと書きことば
実習②
(7)要約筆記の道具、表記の仕方
(8)OHCを使ってみよう
実習③
(9)短い話を要約筆記してみよう
実習④
(10)活動記録、感想を書く
(11)指導者からのまとめを聞く
中学生の反応を見ながら、クイズ形式の問題を盛り込んだり、実際に要約筆記に取り組んでの感想を話し合ったりしながら、真剣に、そして楽しく活動することができました。中学生と共に充実した時間を過ごすことができ有意義な「夏ボラ」となりました。自分たちの活動が現実社会にある障害の壁を少しでも低くする手段のひとつとして要約筆記という活動を行っていることを再認識することができました。すべての人が当たり前に生きていくことの一助にとの思いを一層強くすることのできる時間でした。