岡山県要約筆記団体連絡会 佐藤聡子
2024年明けましておめでとうございます。ことしも皆様方にとって明るく幸せな年でありますようお祈り申し上げます。昨年に引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
さて、毎月この会報誌に県内各地の要約筆記団体から現状などを知って頂くために一ページを提供頂きニュースをお届けさせて頂いています。貴重な接点となり有難く感謝申し上げます。
新しい年の初めに当たり私たちの団体について更に、ご理解を深めて頂くために少しご紹介をさせていただきます。当団体は1985年に設立され37年の歴史を刻んでまいりました。現在は13の市町村団体で構成されています。それぞれの地域団体には意思疎通支援者として県知事から交付された要約筆記者資格者証を持つ者が約百八十名。その他、要約筆記奉仕員としてサークル活動に携わる者が約70名で構成されています。公的な派遣業務には当然、県知事資格者証を持つ要約筆記者が出向くことを基本としています。一方、難聴者団体や他団体との協働活動、寄り添う活動、ボランティア的活動にはサークル所属の全ての会員が参加しています。聴覚に障害を持つ人たちの支援を音声情報が発せられている場で文字にして提供するという業務を担う、文字で聞こえない人たちの人権擁護を担っている要約筆記者集団です。この業務は聞こえにくい、聞こえない人たちへの支援を行う行政の公的福祉サービスのひとつのメニューでありいつでも、どこでも使える市町村の必須事業です。
このように法的な根拠のもと要約筆記者が存在し活動しています。業務の担い手集団である要約筆記者達には一定の技術や知識を担保したうえで支援ができているかどうかを見極めることも必要となってきます。一対一での支援業務が意思疎通支援事業の基本だが依頼される内容は多岐にわたり現場での瞬時の対応力は必要不可欠な技術です。様々な技術を習得し対人支援のスキルを磨くために各地でのサークル学習会が企画、実施されています。情報機器の進化にともない多くの支援方法も考えられるようになっています。それらの社会状況にも目を向けるための情報収集や学習も県内レベルで格差なく取り組めるような工夫が必要です。この点については今の課題の一つでもあります。情報保障のあり方について更に情報共有し機材用具など環境整備についても習熟できる機会を設け県内の要約筆記者の技術、知識、多くのことに対応できる力の平準化を図ることです。
県登録要約筆記者向けには「要約筆記者現任研修」が年2回開催されています。平素お聞きできないような講演を外部講師をお招きして実施したり、顔を合わせて学習し合えない各地の仲間と一堂に会しグループワークに取り組んだりする中で要約筆記者としての立ち位置を再確認できる機会を作っています。
また、県要連に要約筆記者養成講座指導者講師団の会を設置し県内各地の養成事業に対応しています。手書き要約筆記、パソコン要約筆記のステップアップ研修やサークル勉強会などへご依頼があれば出向かせていただいています。このように県内レベルでサークルレベルで研鑽を積むことへの努力を惜しまないということも県要連の事業目的のひとつです。
どこに住んでいても要約筆記という福祉サービスが利用できるようにまずは知って頂きたい。利用するための情報入手格差があってはならないと思います。一方で依頼を受けて立つ私たち要約筆記者集団も利用者のニーズに対応できるだけの豊かな力を構築していく努力を惜しみません。本日は県要連のことを少しだけでも身近に感じていただけるために活動の一端をお知らせいたしました。