笠岡要約筆記サークル 岡本 美代子
私たちのサークルをご紹介いたします。当サークルの設立は平成6年。今年で29年を迎えました。設立当時、活動していたメンバーから、その頃の話を聞くと笠岡市福祉課主催で講座が開催されていたので見学に行き、興味を持ちそこから参加したとのこと。その方には聴覚に障害がある息子さんがいらっしゃいました。成人式を控えた息子さんのことも考え「親の会」が声を上げ要約筆記サークルを設立。そして、彼の成人式には初めて要約筆記での情報保障が実現しました。人生のひとつの節目である成人式に文字での通訳がつき、多くの友人たちと共に出席している息子の晴れ姿に大きな喜びを感じたと言われていました。しかし、その実現には紆余曲折もありました。要約筆記の必要があるのか?という声も上がり、消えかえた灯を何とか実現させなければと多くの人たちの声をひとつにまとめ、要望書という形で市のほうへ提出。その結果、実現しました。今のように差別解消法のような法制度はなく当事者たちや支援者たちの声が原動力になりました。設立当時は登録会員も35人を超えるほどの大所帯でした。当時から取り組んでいた定例勉強会は今現在も継続しています。県内各地の要約筆記団体との交流や県要連の研修にも必ず参加し研鑽を積んできました。全要研の全国大会などにも積極的に参加し全国的な動向を把握したり各地の要約筆記者との意見交換などから笠岡のサークルが活性化できるよう皆さんで努力を重ねてきました。多くの先輩たちが築いてくださった重みを感じながら今現在に至っています。
しかし、今、サークル員を増やしていくにはどうすればよいのかという難題に直面しています。現在の会員は8名。長いコロナ生活がありましたが、今、現在は派遣の依頼も以前の状態に戻り少人数での派遣対応に追われる日々となっています。メンバーの高齢化の波も押し寄せ機材の運搬、設置と体力的にも厳しい現状です。そのような中でも目標をもっての勉強会を開催しています。今は来年1月開催の「成人式」に向けての準備や「生涯学習フェスティバル」に備えての学習に取り組んでいます。パソコン要約筆記での機器の扱いや、前ロール作りなどの勉強をしたり、手書き要約筆記では意図がきちんと伝わっているか?文字は読みやすいか?検証を重ねながらの学び合いを進めています。若い世代の会員加入が厳しい中でどうサークルを継続していけばよいのか試行錯誤しているところであります。29年前の設立当時のことをお聞きするにつけ、何らかの突破口を見つけていきたいと考えているところです。その一つの試みとして外部講師を招いたステップアップ講座を開催致しました。内向きな思考ではなく多くの方々にも知って頂ける企画を考えたいと思います。そして、要約筆記奉仕員養成講座の開催の実現です。以前は受講者数に関係なく毎年開催できていましたが、ここ数年は募集をかけても参加希望者がいないという状況が続いています。県の養成講座開催前には「ちょこっと体験会」をしているとのこと。色々なことを参考に進んでいきたいと思っています。
「笠岡要約筆記サークルの歩み」
- 「 耳 マ ー ク 」
- 「 意思疎通支援事業における現状と提案 」